「あー楽チン♪」


結局俺が恭子の分を自転車のかごに
無理矢理詰め込む事になった

俺が恭子のカバンを持っているからだろうか、
恭子の傘が俺の方に傾いていた



それをみた旭は負のオーラをだしながら

「俺、寒さに耐えれないから
さっさと帰るわ」

と言って雪に足をとられながら
さっさと帰っていった




2人きりになった俺たちは
会話もなく、ただ
空から降ってくる雪を眺めていた



「…てか、久しぶりだね」



恭子が口を開いた


「ん。何が?」



「2人きりで帰るの」

「あぁ…」



恭子は吹奏楽部に、
俺はサッカー部に所属していて
帰る時間もばらばら、
テスト期間はお互い
友達と帰っていて
今のようにゆっくりと
一緒にいる時間は滅多にない



色々と考えていると
再び恭子が口を開いた




「雪…明日も降ってくれないかな」

「何で?俺さみぃのヤダ」





「だって、雪降ったら
またこうやって祐介と
一緒に帰れるでしょ?」


恭子は微笑を浮かべて言った