「ちょ、こんな雪降ってる中で
オレらは走らなきゃいけねーの?」


隣で空から降ってくる雪を見ながら
白い息と共に旭が愚痴をこぼす



「俺だって今すぐ学校にはいりてーよ」

「だよなーっ、て、なんだアイツ!
何で傘さしてんの?!」



ハ?

俺は旭が指差した方向に目を向ける



するとそこには
体育教師が傘をさして
こちらを見ていた



「どっから傘なんて出してきたんだよ
アイツはあれか?
あのメタボ腹は実は4次元ポケットだったのか?!」



「…俺に聞くなよ」



つまらない会話を繰り広げていたら
いつの間にか俺たちは
3周を走り終えていた



「よし、走ってきたな
今から何しよっかなー」


と、マフラーに顔を埋めて
ぬくぬくしながら言った




「そんなヤル気のない授業なら
やめちまえよー」


ぶるぶる震えながら
一人のクラスメイトが嘆いた



「うるさい!俺に口答えするな!」

いきなりキレた教師は
今度はニヤニヤしながら言った





「今日は持久走な」





俺たちはため息をついた