「はぁー・・ゲーセン・・いや、クレーンゲームおそるべし。」
と、龍太郎は、開き直ったのか、クレーンゲームに向かって、ふてぶしい態度で指をさしながら言った。
けど、私らからしては、
((こんなことで落ち込むって皆まだ子供だな・・))
と、思う。

「しょうがないじゃん。
クレーンゲームは、ゲーセンの貯金箱なんだから。
一回、自分の闘志に火がついたら、脱げ出せない手強い相手だな。
不覚にも、俺まで、こんな古典的なものに夢中になってしまった。」
と、偉そうな口調で言いながら、眼鏡をクイッと上げながら、椅子から立ち上がった栄一。
(あ、はまってたんだ。
見逃しちゃった。)
と、わたしは思ってしまい、思わず笑ってしまいそうになってしまった。
だって、普段の栄一じゃ、想像できない姿だったかもしれないのに。
栄一は、数学が得意だから、やるとしても、計算した後でやってそうだとイメージだったからこんなに無邪気な一面もあったんだとびっくりした。
ほかの二人は、そこまでお金賭けてなかったみたいだったから、立ち直りは早かった。

「じゃあ、皆もう気が済んだ?」
「「「「もう懲りました」」」」
と、4人は揃って言ってきた。
だから、私と歩は思わず笑ってしまった。

そして、私たちは、有紗たちを探すことにした。