まぁ、冬馬は納得いかない表情ではいたが。
そして、気づけば、時間は7時になろうとしていた。
私たちは、急いで帰る支度をして、学校に出た。
靴箱で、ふっと栄一が「アレっ?冬馬は?」と言った。
私は、思わず振り返った。

(あぁ!?ホントだ・・・
探しに行かなきゃ・・)
と、荷物を下ろした頃に靴箱の近くの廊下から康介とその彼女が歩いてきた。
康介は、私たちのクラスメイトで有紗たちをくっつけるきっかけを作った人である。
しかも、冬馬とも仲良くて、今回のことで一番頭抱えたのは、康介かもしれない。

で、康介を見つけるなり栄一が康介に向かって、「康介っ!冬馬を連れて来てくれないか?・・多分、あいつ教室に居ると思う。」と言った。


康介は、血相を変えて、肩に掛けていた鞄を落として、振り返り教室に向かって、走って行った。
けど、そんな康介の心配そうな行動を覆すように冬馬が近くの階段から降りてきた。
康介は、何をしたか分からないけど、新劇張りに綺麗に扱けた。
そこに居た人は、つい爆笑してしまった。

そんなダサ男くんの康介は、笑いを堪えてる栄一に助けられ、彼女にはハンカチで汚れてるところを拭かれたりしてた。
その姿でも、ついつい笑ってしまった。
だって、耳まで真っ赤にして、体育座りして顔を伏せてるんだもん。



(((子供・・・(笑)))))