けど、栄一はそんなのお構いなしにずんずん進んでいく。

当たり前だけど、すれ違う人には二度見されるから、私は目が合ってしまう。

一番嫌なのが、聞こえるような声でカップルの喧嘩に間違われるのが何よりも恥ずかしい。
しかも、同じ学年の子には付き合ってると思われてるから、茶化される。

けど、栄一は聞く耳を持たないのかそんな事言われても離さなかった。
だけど、私は我慢の限界だったから、振りほどいて栄一の真正面に立った。
「もう痛いわー!こっちの身にもなってよ。
しかも、あんたねぇ~後ろ向きとか怖いんだょ!!
てか、どこに連れていく気?」

そしたら、少し俯き、なにか考えてた。