時間はもう遅刻する時間だった。急いで準備して、走って学校に行った。

もう学校は、ホームルームの時間なのに、なぜかざわついていた。

すると、いじめっ子仲間の爽が声をかけてきた。

「美波っ、校長に呼ばれてるよ?」

「え・・・?なんで」

「なんか、退学とかなんとか・・って。」


「・・・、あたし・・行ってくるね」



トントン


「失礼します。高島です。」



「あ、どうぞ。」




「単刀直入に言うが、君を退学することになった。だから、今日限りで学校へ来ないで欲しい。

 話は以上。さ、出て行きなさい。」


「な、なんでですか・・・。いきなりっ。」

「実は保護者会から、署名が集まったんだ。もともと君を退学にして欲しいという願いがあった

 んだ。それに、いじめで自殺者が3人にものぼった。遺族がね、君のせいなのじゃないかって。

 ま、学校にも泥が付くことになるからね。」






校長は、少年院を出た美波を引きとってくれた。アパートも貸してくれ、お金なども

工面してくれた。そんな親のような存在であったのである。





「・・・信じてくれないんですね。校長も・・・。」



美波は、また裏切られた。