皮肉にもこの日は大家さんが来る日だった。
大家は警察に連絡し、美波は、父親だけではなく、母親まで殺したという容疑にかけられた。
美波は少年院行き。蛍は、児童相談所に預けられた。美波は今でもあの日のことが忘れられな
い。
「おねえちゃあんーー。かならずまた会おうね。絶対だからよおお。」
「蛍・・・」
どんなにつらくても悲しくても支えあってきた双子。心が冷たくなっていた、美波にとって
蛍は唯一心許せる相手だった。しかし美波はたくさんの人間に裏切られた。
無罪獲得を約束した弁護士、警察。
美波は、その後過去を隠して柏木高校に入学。しかし、噂が飛び交いたくさんのいじめを受け
た。
もう人を信じない。自分は見捨てられたのだ。
蛍もきっと信じてくれないだろう。
それから美波は、ロボットのようになってしまった。
心はそう、まるで雪のように。


