「さあ、ついたわよ。ここが、蛍ちゃんが住んでいた家よ。
美波ちゃんも色々みたいでしょう?」
「ここが・・?」
蛍・・あなたは、この5年間なにをしていたの?どんな思いで生活していたの?
様々なことが、美波の頭をよぎる。
家の中はそのまんまだった。
リビング、寝室・・そして、蛍の部屋・・。
(蛍・・、瀬戸川さんたちに良くしてもらったんだね。)
蛍の部屋には、たくさんのアイドルのポスターが、貼ってある。
まさに、女の子の部屋だ。
本棚には、漫画やアニメの本が、ぎっしり詰まっている。
「これ・・」
そういって、美波が手にとったのは、一冊の本だった。何ページ目かの紙に、
あの朝顔の押し花の、しおりがあった。
大切にしていたのだろう。きちんと手入れがされている。蛍は、忘れてしまったのだろうか。
ポトッ
上から何かが落ちてきた。
それは、一冊の、ノートだった。


