太陽と雪



蛍ちゃんは、ここに1年間いたの。そしたら、瀬戸川さん夫婦に引き取られたの。

わたしは、瀬戸川さんたちと連絡を取り合ってたの。蛍ちゃんは、将来は弁護士になりたいって

言ってたそうなの。そして、美波ちゃんの無実を証明したいって。雪のように冷たくなって

しまった心を、私が太陽のようにとかしてあげたいって。

中学生になった蛍ちゃんは、毎日毎日、手紙を書いたのよ、刑事さんあてに・・・。

美波ちゃんは無実だって。だから、無罪だって。だけどね・・・、無理だったのよ。


それからも、蛍ちゃんは、必死に、刑事さんに訴えたの。何千回も。

そして、やっと、警察が動いたの。だけど、瀬戸川さんたちや、蛍ちゃんは、

交通事故にあってしまったの。そのときに、蛍ちゃんは、記憶喪失、瀬戸川さんたちは

死んでしまったの。わたしは、美波ちゃんに会わせたくて、柏木高校へ蛍ちゃんを

転入させたの。



















ここまで聞いて、美波は涙がボロボロに流れてきた。

蛍・・・。あなたは、わたしを信じてくれたのね?

大切な人が、私にはいたんだね・・・。


「美波ちゃん・・。今度はあなたが、太陽になる番よ。雪の心になった、蛍ちゃんの心

 をとかさなくちゃ・・!」

美波はうなずいた。

「あ、そうだ。美波ちゃんに見せたいものがあるんだったわ。」


学長は、美波を車に乗せた。