そのころ、蛍は校長室にいた。
「瀬戸川くん。君は、高島 美波を知っているか?君の姉妹かもしれない。」
蛍は、静かに言った。
「いいえ。いません。私に姉妹はいません。」
「よろしい。そうだよな。そんなはずないよな。いやー、学校裏サイトに書き込み
があったからねえ。」
「校長・・。やめてくださいよ。あんな殺人犯と一緒にするなんて・・」
蛍は、フッと笑った。そして、
「では、失礼します。」
といって、校長室を出て行った。
「瀬戸川さん。」
廊下に出たとたん、結衣たちが、待ち受けていた。さらに、美波も追いついた。
「ねえ、蛍なんでしょう?そうなんでしょう?」
蛍は、
「たしか・・・、高島さんだっけ。あなた人のデマを間に受けるタイプね。
人違いもほどほどにしたら?」
「そんな・・・、あれはデマだったの・・・?」
かすかな希望を抱いていた美波にとって、これはとてもショックだった。
「なに?違うの?」
「ええ。この人確か結衣さんのこといじめた人よね。」
「あら、わかってんの?」
「わたし、人を殺める人とか信じられないわ。」
美波はその言葉が胸に刺さった。
「じゃあ、別に高島美波のことは関係ないってこと?」
「そうなるわね。」
蛍はそれだけ言うと帰ってしまった。


