ユキがそう言うと、下に人間の世界が映し出された。 「あなたには、あなたのお母さんの人生を見てもらいます」 お母さん。 そんなこと知らなくてもいい。 「あの、なんでお母さんの人生を知らなきゃいけないの?」 「あなたが、愛されていたからですよ」 「…そんなわけ……ないですよ」 「見ていけば、わかります」 そう言われ、私はまた下を向いた。 そこには若い姿の、お母さんの姿があった。