テスト期間で、私は勉強に集中していて

すっかり忘れていた時、




ピンポーンと下からのコール。




玄関のカメラで彼の姿がうつった



「よっす、俺」



陽気な彼の姿。





急いで下に下りた。




彼が居た。ロビーの前に座っていた。




「久しぶりやな」



ニヤニヤと笑っていた。
笑っている割には、よく目を見たら涙が滲んでいた。



もしかしたらこの人は泣き虫なのかも知れない。




それから自由人どうしでアホな会話を続けた。



気にせず気楽に話せたのが不思議で





次会えた時には


名前を聞こう、学校を聞こう。歳が知りたいな。




頭の中で何回も何回もシチュエーションしたのに

いざその場になると忘れてしまって、
時間はすごいスピードで過ぎていった。




彼から凄いキシリトールの匂いがしたから

「キシリトール好きなん?」

って聞いたら


「俺はじゃがいもが好きやねん」


って返ってきた。




「さっき英語の勉強しててん、ジャストアミニット!
 ってどうやってかくんやろ」


そう聞いたら、ガムの包み紙に私が持ってたシャーペンで
ジャストアミニットの英語かいて


「俺天才やからわかんねん、これやろ」


描いた紙見せてきて、そのドヤ顔がまた面白くて




「私火星買いたいねんけど、今所持金70円やねん」

「俺20円やわ」

「あかんわ合わせても100均も行かれへん」



みたいな会話したり、

さっきのいらん包み紙投げてきて「いらんわ」とか



ゆって争ったけど、



彼の携帯に電話きて、


「もう行く?」