そんなある日に、近くのおばあちゃんの家に煮物を届けてて頼まれたから、

送料300円に軽くのっかって、届けた時。



行きの道でばったりキミと会う。


会えた。




最初目を合わせて黙ってたけど、


彼がへらっと笑って

「前はごめんな…、迷惑やったやろ」


「いや…」



夜でよく顔は見れてないけど

背は高すぎもなく低くもなくて
もてそうな顔だった。




「帰ってるときとかに見かけて、好きになってん。」




私は何も言えなくて、黙って聞いていた。



「俺な、明後日に東京に引っ越すねん。
 やから後悔したくないからゆってんけど…
 迷惑やんな、ごめんな」



謝られても困るわ。
どう反応すればええねん。



ヘラヘラしたり心配そうな顔したり、



「でも、最後に会えてよかったわ」




最後なんだなーって

実感わかないけど、凄くさびしく思えた。



私はこの人が好きなのか解らない。




どうすればいいか解らないから、


「そうやな」


とだけ返して、じゃあ行くわって歩こうとしたら




「また25日大阪帰ってくんねんけど、
 良かったらでいいけど、また会おや」


「いいよ」





ちょっとほっとした瞬間。


また会えるのかって嬉しくなった瞬間。