「行くで、ちゃんと捕まっとりな!」 「わかった!」 走り出した玲治のバイクは、どんどん加速する。 「わ〜!すご――い!!」 「ちゃんと捕まり!落ちるで」 「大丈夫だよ―!」 風を切るように速い。 初めて感じる高揚感。 「ほんなら、もっと加速すんで〜」 「うん!」 ふっと玲治の顔を見た。 母ちゃんのくせに、カッコいい…。