「はいはい。サンキューね♪ そんじゃ、またね〜」 メモを受けとると紅葉はさっさとバイクに跨がって帰ってしまった。 紅葉が見えなくなるまで見送って家に入った。 ただいまも言わずに台所のお母さんの所に行く。 普通のお母さんに普通のお父さん。 どこにでもある普通の家庭。 晩ごはんの準備をしているお母さんに話しかける。 「お母さん」 「あら、おかえり。 ただいまぐらい言いなさいよ」 「ねぇ、お母さん紅葉って子知ってる?」