「それより是奇のメイド姿楽しみだな。」
 
 
 
クラスの奴が喋り出した。
 
 
 
「おかえりなさいませ、ご主人様…ってちゃんと言えよ!」
 
 
笑いながら言った。
 
 
「馬鹿かっ!誰がそんなこと言うかっ!!」
 
 
俺は大声で叫んだ。
 
 
「メイド喫茶なんだから、しょうがないだろ。」
 
 
 
「うるせぇ、絶対に言わねぇからな!」
 
 
 

その時の俺はすっかり忘れていた。
 
 
華音の右手首のあざのことを…。
 
 
 
 
その時の俺は思いもしなかった。
 
 
この今日の学校祭が、俺の生活を…人生を……変えてしまうなんて。