時間が過ぎるのはあっという間で、明日はもう学校祭だ。
 
 
 
「…なぁ、本当にメイド喫茶やるのか?」
 
 
返ってくる言葉は一つしかないと、分かってはいるものの華音に聞いた。
 
 
「何を今更、当たり前だ。」
 
 
 
「……だよな。」
 
 
 
この間、サイズ確認として一回だけメイド服を着た。
 
 
「きゃー!是奇君かわいい!すっごく似合ってるよ!」
 
 
とは言われたものの…
 
……あんなものを学校祭で着て良いのか…?
 
 
あれを見たら客なんか一斉に帰ってしまう。
 
 
 
それに、女の言う『かわいい』は信用できない。
 
 
…明日がすごく憂鬱だ。
 
 
 
「まぁ、頑張れよ。」
 
 
華音が俺の肩をポンと叩いた。