「おい神倉、いい加減元気を出せ。」
 
 
華音が俺に声をかける。
 
 
「……何であんなものやらないとねぇんだよ。」
 
 
俺は眉間にシワを寄せた。
 
 
「しょうがないだろ、諦めろ。」
 
 
 
「諦められるかっ…男がメイド喫茶なんて……!」
 
 
 
…途中までは良い感じに話がまとまってたのに。
 
そもそも華音があんなこと言うからだ…。
 
 
 
―三十分前―
 
 
 
「決定で良いでーす!」
 
 
俺達のクラスは男が執事喫茶、女子がメイド喫茶に決まった。
 
 
スッ…
 
 
「ん…?何だ、黒川。」
 
 
 
いきなり華音が手をあげた。
 
 
 
「男子が執事喫茶で、女子がメイド喫茶って…普通すぎ。」