「…高橋樹菜(たかはしじゅな)です。よろしく。」
 
 
 
あれ……
 
こいつ、前に華音を保健室に連れて行く途中でぶつかった奴だよな!?
 
 
 
確か、華音と知り合いって言ってた奴だ。
 
 
 
「高橋の席は……」
 
 
「私、華音の後ろが良いです。」
 
 
 
ざわっ…
 
 
「え!?何?黒川さんの知り合い?」
 
「黒川とどんな関係なんだ?」
 
 
教室のあちこちで、いろんな話し声が聞こえてくる。
 
 
 
「高橋、席は変えれないぞ。席替えまで待て。」
 
 
「そうですよね…すみません。」
 
 
 
「…で、高橋の席は……吉田の後ろだ。」
 
 
そう言って先生は高橋の席を指で差す。
 
 
「はい。」