…やべぇ、忘れてた。
 
 
 
「……きれいだな。」
 
 
華音は、空に打ち上げられた花火を見ながら言った。
 
 
「あぁ。」
 
 
 
「…それにしても……。
ここは花火を見るには、最高の場所だな。」
 
 
 
華音が言った通りだ。
 
俺と華音以外人も居ない。
 
それに花火を遮る建物もなく、眺めがすごく良い。
 
 
 
「来年もまた来るか。」
 
 
俺は花火を見ながら、華音に言う。
 
 
 
「ふん、神倉がそこまで言うなら、来てやっても良いぞ。」
 
 
 
「じゃあ、これ俺と華音の約束な。」
 
 
俺は右手の小指を出した。
 
 
「……ふんっ、しょうがない。」
 
 
そう言うと、華音は俺の小指に自分の小指を繋いだ。