「もう嫌なんだ……。
 
青空を見ただけで…あの日の記憶が、鮮明によみがえってくる…。
 
 
こんな苦しい思いをするのは…もう嫌なんだよ!」
 
本当に……もう、嫌だ。
 
 
 
「……神倉、お前がいつまでも前を向かなくてどうするんだ!」
 
 
華音は眉間にしわを寄せ、怒っているのが分かった。
 
 
「あたしには神倉の苦しさなんか分からない。
 
でもいつまで、うじうじしているつもりだっ…!?」
 
 
 
「…華音にそんなこと言われ……」
 
 
俺の言葉を遮り、華音は言う。
 
 
「それでっ…周りの人間やお前の弟を、悲しませていることに気付けっ!!」
 
 
 
…俺が悲しませているだと?
 
 
「どういう意味だよ…。」