華音へ
 
 
 
この手紙を華音が読んでる頃には
俺はもう華音の前から消え去っているだろう。
 
 
 
華音のことだから、きっと責任を感じているだろう。
 
 
でも、これは俺が自分で選んだ結果だ。
 
 
 
だから、あんまり自分を責めんなよ?
 
 
それに、俺は本当に幸せだった。
 
華音に出逢えて良かった。
 
 
初めて、俺は誰かを心から愛した気がする。
 
この気持ちだけは、永遠に変わらないと思った。
 
 
 
こんな気持ちを知ることができたのは、全て華音のおかげだ。
 
 
 
ありがとう。
 
 
 
俺が居なくなったこの時だからこそ、華音に渡したいものがある。
 
 
いつもの場所の、大きな木の近くにそれがある。
 
 
 
最初で最期の、俺からのプレゼントだ。
 
 
 
 是奇