俺がここに来てから、もう一ヶ月が過ぎた。
 
 
もういい加減、学校にもなれた。
 
 
 
「…暑ぅー。」
 
 
…もうこんな季節か…。
 
 
あと一週間で夏休みか。
 
 
 
夏休みは嬉しいけど…
 
夏なんか嫌いだ。
 
 
無駄に暑いし、それに……
 
 
 
「…………。」
 
 
 
もう過去のことなんだ…。
もう振り返らない。
 
 
そう、あの時決めた。
 
 
 
「…どうした?」
 
 
華音が俺の顔を覗き込んでいる。
 
 
「…いや、ちょっと昔のことを思い出してて…。」
 
 
 
「ふぅん…。」
 
 
 
一ヶ月前に比べると、少しだけど華音との距離は短くなっている……と思う。