Blue sky ～ 記憶 ～

「まぁ、足が動くようになったんだから良いか。じゃあ行くぞ。」
　
　
そう言うと、華音は歩き始めた。
　
　
　
　
　
「……なぁ、さすがにこの時間帯でこの格好はおかしくないか？」
　
　
「大丈夫だ。」
　
　
　
華音は堂々と言った。
　
　
　
今の時刻は、十時九分。
　
　
俺は寝起きの格好で、上下ともスウェットを着ている。
　
華音は、学校の制服を着ている。
　
　
　
まだきっと、他の奴は授業中だろう。
　
　
そんな中、制服姿とスウェット姿の奴が平然と町中に居る。
　
　
　
当たり前、道ですれ違う奴は、百パーセントの確率で振り返る。
　
　
　
「なぁ神倉。さっきからチラチラと見られている気がするのは、あたしの気のせいか？」
　
　
華音は周りを気にしながら、俺に言ってきた。