「おっ!是奇久しぶりー!」
 
「是奇君だ!一週間も学校休んでずるーい!」
 
「そうだ、どうせずる休みだろ!?」
 
 
俺が教室に入ると、色んな奴に声をかけられた。
 
 
「ずる休みじゃねぇよ!ある種の旅行だ。」
 
 
俺はとりあえず、そう言っておいた。
 
 
 
「…他の人が学校に通っている間に旅行とは…さぞかし楽しかっただろうな。」
 
 
そう言ってきたのは華音だった。
 
 
「久しぶりに会ったって言うのに、いきなりそんな嫌味かよ…。」
 
 
 
俺は心の中で、華音らしいな、と納得しながら言った。
 
 
 
「嫌味なんか言ってない。ただ文句を言っただけだ。」
 
 
…どっちにしろ嫌だし!
 
 
俺にしてみりゃ、嫌味も文句も変わらない。