「……うっ…う……行ってしまうのだね…。」
 
 
 
今日は俺達があの町に帰る日。
 
 
予想通り、ばあちゃんは泣いている。
 
 
 
「だから泣くなって……別れづらくなるだろ…?」
 
 
「だけど…折角是奇に会えたというのに……。」
 
 
「…この前も言ったけど、またこの町に来るから……だから泣くなって。」
 
 
俺はとにかく、ばあちゃんを泣き止ませようとした。
 
 
 
 
でも予想以上にばあちゃんは泣き止まず、さっきのような会話がこの後に十分続いた。
 
 
 
「…じゃあ、帰るからな。」
 
 
やっとのことでばあちゃんを泣き止ませて、ついに別れの時がきた。
 
 
 
「…分かっとる……元気で過ごすのだよ。」
 
 
「あぁ…ありがと、ばあちゃん!」
 
 
 
そうして、俺のばあちゃん家での生活は終わった。