最初は距離を置いて、少女は少年と接していました。
 
 
少年も同じく、距離を置いて少女と接していました。
 
 
 
しかし、いつしか二人は恋に落ちていきました。
 
 
 
 
その時少女は、分かっているようで分かっていなかったのです。
 
 
右手首のあざの意味を。
 
 
 
 
少年との絆が強くなっていく度、少年は不幸になっていました。
 
 
少年は少女のあざのことも、それで不幸になると言うことも全て知っていました。
 
 
 
そのことを知っていても、少女を愛したのです。
 
 
 
 
 
ある朝、少年はいつもの様に目覚めました。
 
 
でも、いつもと違うことが一つありました。
 
 
 
それは、右足に激痛が走り思うように歩けなくなっていたことです。