「些細なこと…?」
 
 
俺はどんなことなのか気になった。
 
 
「例えば……華音と二人で下校すれば、一回は自転車とかがぶつかってきて軽い怪我とか。」
 
 
…それって些細なことなのか……?
 
 
結構大きい問題だと思うけど…。
 
 
「…でも、あの時に比べれば軽い怪我なんて、大したこと無いわ。」
 
 
高橋は悔しそうな、そして悲しそうな表情になった。
 
 
「あの時?」
 
 
 
「私は昔…陸上部に入っていたの。優勝だって何回もした……
 
あの日さえなければ…華音さえ居なければ…!」
 
 
高橋からは憎しみの感情が感じられた。
 
 
「……どんなことがあったんだ?」
 
 
俺は黙りこんでしまった高橋に向かって聞いた。