Blue sky ~ 記憶 ~

…とは言っても、暇だ。
 
 
午前中に何度も学校を回った。
 
昼飯も食べたし、正直言って何もすることがない。
 
 
 
…どうするかな。
 
 
 
ギュッ!
 
 
 
突然、制服の袖を掴まれた。
 
 
「………!?」
 
 
俺は驚きながら振り返った。
 
 
 
そこに居たのは、小学一年生くらいの女の子だった。
 
 
 
「…どうしたんだ?迷子か?」
 
 
俺の問いかけに、コクリと頷いた。
 
 
「…名前は何だ?」
 
 
 
「柚(ゆず)。」
 
 
柚は心配そうに俺の目を見て言った。
 
 
「…お母さんと来たのか?」
 
 
俺はその場にしゃがんで、目線を柚に合わせた。
 
 
「うん……。」
 
 
 
「…よし、俺と一緒に柚のお母さん探すか!」