「東京から転校して来た、神倉是奇(かみくらぜき)っス。よろしく」
 
「えーと…神倉の席は……そこの黒川の隣だ」
 
「あー、はい。」
 
 
そんな軽い返事を返し、その席まで歩いた。
 
 
ドサッ
 
 
「神倉も知らない人ばかりで緊張してると思うから、みんな仲良くしてやってくれ」
 
「はーい。」
 
 
俺が転校したのはこれで六回目。
 
今さら緊張なんてしない。
 
 
ある程度仲良くなったらまた転校。
 
その繰り返し。
 
 
また今回もいつもと同じだろう。
 
 
だから俺には友達がたくさん居ても、親友は一人も居ない。
 
 
それに不満があるわけじゃないし、別に良いけど。

 
 
 
まぁ、とりあえずは隣の奴に挨拶しておくか‥‥。