「今の仕事を辞めてくれんかね」

「は? いきなりなに言ってんの」

「では記憶を消すのはどうだ」

「いや、言ってる意味がわかんないんですけど」

「このままにしておく事は出来んのでな。方法としては命を奪うか、記憶を消すか、私の助手になるか」

「はあ……」

 どうでもいいけど、見た目すごい美人なのに、この男口調はなんとかならないのか。

「早く決めろ」

 狭い路地裏で剛の今後が決められようとしていた。

「決めろって言われても、突然すぎて無理です」

「では記憶を消す」

「嫌なんですけど」

 どうやら、選択肢は1つしか無いようだ──