「俺がおまえのいる世界から立ち去ればいい」

 すんなりと答えたが、剛がそれで納得いくはずがない。

「なるほど、俺の質問に答えずにトンズラする気か」

「やっぱり覚えてたのか、嫌な奴だな」

 口の中で舌打ちした。

「答えてからなら、どこへだって行っていいよ」

「言えないし、まだこの世界に来てちょっとだし。まいったな」

 まいったのはこっちだ!

「そもそも、なんだって俺があんたの波長に合っちまったのかが疑問なんだけど」

「偶然だろうけどもね。しかし、ここまで波長が合うなんてことは滅多にというか初めてだ」

「偶然て……」

 そんなの酷い。偶然でこんな事になるって、俺はどこまで運が悪いんだ。