明日の果て

 マクバードは腹を決めたのか、表情を険しくし右腕を肩まで掲げた。

「お前は選ぶ権利を得た──天に向かうか、デイトリアの使徒となるかを」

 今ならまだ間に合う。マクバードの瞳がそう言っているように思えたが、剛は笑みを浮かべて小さく首を振った。

「俺はもう決めている」

 デイトリアの使徒になる。

「そうか」

 ただそれだけをつぶやき、マクバードは曇らせた瞳で柔らかに微笑んだ。