ここは、こんなにも温かくて心地よかったのか。

 地に降り立ち、マクバードの神殿を見やる。

 荘厳でいて優しさを忘れない、以前と同じく不思議な感覚だった。

 初めて通る通路、赤い絨毯が続き重厚な扉の前に立つ。

 大理石で造られたそれは、美しい彫刻が刻まれ、デイトリアの手でゆっくりと開かれる。

 開かれた先にある空間に剛は目を見張った。

 広い空間にはいくつも白い柱が重々しく築かれ、続く絨毯の先には黄金の玉座。

 その前に立っているのは、会いたいと願っていた懐かしい人物。

「やはり、こうなってしまったのか」

 愁いを帯びた眼差しに剛は苦笑いを浮かべる。