まるで、海底を勢いよく進んでいるように、眼前の景色はめまぐるしく変化する。

 隣で飛んでいるデイトリアに目を向けた。

「どこに行くの?」

「マクバードのもとに」

 少し間をおいて答えた。

 やはりまだ躊躇いがあるのだろうか、デイトリアの表情が硬い。

「もう気にしないでよ。俺が決めたことなんだから」

「解っている」

 そうして、剛は見慣れた風景に目を眇(すが)める。

 殺伐としたなかにある安心感──

「ああ、帰ってきたんだ」

 実体は無くなったけど、マクバードの気配はよりいっそう強く感じられるようになった。