男たちは、何か刃物のようなもので切り裂かれたように血しぶきを上げながら倒れていく。

 必死に叫びを上げないように朽ちを押さえてジェティスを見やると、形の良い手から血がしたたり落ちていた。

 それでようやく、爪による攻撃なのだと解った。

「馬鹿が、少しの良心も持たぬ者に慈悲など無い」

 ジェティスは苦しみ悶える男たちを見降ろし、冷たく言い放つ。

 その物言いは、剛にはなんとなく高貴に感じられた。

 剛は怖くなり、その場から急いで遠ざかる。

 その後ろ姿をジェティスが見ていたとも知らずに──