「なんで記憶を!?」

 息を切らせて都心に向かう──ようやく思い出した名前を心の中で連呼して、路地裏を探し回る。

 記憶を消されてつながりが断ち切れたのか、ジェティスの存在をまったく感じ取る事は出来なかった。

「記憶……消さなかったんだ」

 つぶやいて足を止めた。

 これは消したんしんじゃない、忘れさせたんだ。

 でも許せない、いきなりこんなことするなんて──!