「どうした、他の神に助けを求めろよ」

 人間を人質に取っている事で強気に出ているが、彼らがマクバードたちを軽く見ている事は明らかだ。

「馬鹿者どもが」

 背後からの声に振り返ると、青い目の腰まである長い黒髪をたなびかせた男が立っていた。

 ピンと尖った耳に目尻のつり上がったそいつは、ギロリと睨み付けるとマクバードに丁寧に会釈した。

 外見は20代後半ともとれる。

「あなたが手を下すほどの者たちではありません」

「なんだと? 何様のつもりだ」

「交渉を持ちかけて来るのなら、もう少し勉強してからにするんだな。せめて俺の顔くらい知っておけよ」

 呆れて発した男をじっと見やる。