この辺は、前の町と違い建物が少なく自動車も余り通らないため、朝に吸う空気は新鮮だった。

私は今自転車の荷台に乗っていて、自転車を漕いでいるのは、たーくんではなく
紗羅さんだ。

女の子なのにたくましく見えて見惚れてた。

少しすると紗羅さんが話かけて来た。

「一葉ちゃんの手にはめてる指輪って誰かとお揃いだったりする?」

「うん、好きな人・・・とお揃いかな。」

すると、何故か先ほどまでたくましかった紗羅さんの雰囲気が暗くなった。