やがて私たちは海へ到着した。

もう夏はやってきてる。

水面が太陽の光を浴びて、キラキラ光っている。

「綺麗だね。」って私が言うと、

輝は「お前の方が綺麗だ。」とさらりと言った。

さすがホスト・・・私は心の中で嬉しく思いながらもそう思った。

私たちは手をつないで、砂浜を歩いた。波に引き寄せられるかのように、

きゃきゃとはしゃいだ。

次の瞬間、輝が私を海に向かって押した。

私は、「きゃぁ~冷たい。」そう言いながら、海の中に倒れこんでしまった。

「あっ、輝、ひどい。」わたしも輝の腕をぐっとつかみ、輝を海の中へ引っ張り込んだ。

「なに、するんだ。」

「先にしたのは、輝でしょ?」

私たちは、水をお互いにかけっこし、全身びしょ濡れになってしまった。

こんなに笑ったのは私、初めてかもしれない・・・・・


「タオル取ってくるよ。」輝はそう言って車へ戻った。