フラッシュバックしたかのようにあの出来事が猛スピードで頭の中で駆け巡る。



アゴの痛み、鈍い痛みの後頭部、乱れた髪の毛。ヒビの入ったチェスト。転がっている金属バット。









「ルイ……、本当に……ごめん。」





私を裏切った愛する人。


涙を流さない理由が何処を探しても見つからない。


私の優ちゃんは、私の親友の弥生と出来ていた事実。




生きる希望を、生きる支えを、生きる強さを、
死にたい衝動、失う何もかも、私の存在価値。




愛してるよ?
土下座でもなんでもするから、




わ たしを   すて な い で




「ルイ……俺は弥生を愛してる。」




わ た し を す て な い で




香しい貴方の最後の匂いは、終わりの言葉でした。