「ルイの様子じゃ仕事はしていないみたいだね。実家?それとも生活保護?」
「………………。」
「あぁ、言いたくないなら言わなくても良いよ。路上で暮らしてても何も思わないから。」
座っている人達が入れ替わりで変わっていく。私達が恋人と思われてもおかしくないだろうね。
「お金はあるの?」
「……年内には尽きるだろうね。」
「てことはそこまで困っていないわけね。」
この言葉に何故その解釈が出来るのかが不思議だが、私にかかるお金は社会保険から国民保険に変わったお金と携帯代に病院代。
無理して太ったあの時以外は食費は一万もかかっていない。
家賃も……光熱費も……
未だにキチンと支払われている。
ダメ人間だなと考えれば考えるほど思う。
「お金が無いなら貸そうと思ってた。利子も無くね。貧乏オーラを放つ人間は嫌い。こっちまで貧乏になりそうだもん。」
「嫌いなモノばかりだね、雅巳君。」
「最初も言ったけど、好きな物が少ないんだよ。人混みも嫌い、渋滞も嫌い、ていうか外が嫌い。」
「腐ってるのね。」
「そうだね。愛犬のモモの散歩も嫌々してるけど彼女のつぶらな瞳には敵わなくてね。あとあのセクシーなお尻とね。」
「フフ……。」
自分勝手だなとはわかってる。
でも本当は口に出して言いたいくらい喉にまででかかっている。
世間話がたまらなくつまらない。



