「さて……世間話でもしますか。」
パソコンをパタンと閉じて、甘そうなシェイクを手に持ちストローを加えたまま私の顔をジロジロ見る。
「覇気は無いけど死相も無いね。おおかた彼氏にフラれて一時の気の迷い程度?」
9割合ってるいるが、1割違うと言えば
「いつ実行してくれるの?」
死にたい顔に見えないと思われたのが尺だが、私が貴方に会った理由はこの言葉の意味以外なにものでもない。
「ハハハ!ごめんごめん。今日はその話はタブーにしよう。世間話でお互い近づこうよ。」
近寄る気もないくせに、彼の言葉の裏をなんとなく探ってしまう。
友達になんてしたくないタイプだな。
「お薬は?あるの?」
「バックにある。心配しないで。」
「ルイの心配はしていない。ルイが狂った時に周りの冷ややかな目を浴びせられる僕に心配しているだけ。あるなら良いよ、先に飲みなよ。」
ハッキリ言われ過ぎて腹も立たないし、逆にわざとに大袈裟に倒れてやろうかなと企みたくなる。
「飲まないよ?倒れたら介護よろしくね?」
爽健美茶を持ってニッコリ笑ってやった。
雅巳君はハハハ!と口では笑っていたが
―――その目は
完全に笑っていなかった。



