「はい、どうぞ。」
「あ、お金っ。」
要らないというサインで手を軽く左右に動かかされ、手渡しされた爽健美茶を一度だけ口に含みテーブルの横に置いて彼と向かい合わせする。
「ここまで来てくれてありがとう。」
「いや、打ち合わせみたいなモノでしょ?それとも面接かな?ま、不採用なんてないけどね。」
「さっきの女の人大丈夫?」
「大丈夫なんじゃない?甘い言葉と抱えきれない花束渡せば機嫌は良くなるでしょ。夢見ないと生きていけないんだよ、40代の寂しい女は。」
「40代!?」
あどけない雰囲気を私でも感じる彼は、どうやら愛情の安売りをしているらしい。
というか、その女の人が凄い。
「昨日は僕の誕生日だったからさ。」
「え!?おめでとう!」
「月に一度のね。ハハハ!」
夜の世界にいるって言ってたっけ?ホストかな?そうは見えないけど。
どっちにしたって女に節操は無いわけね。



