ファーストフードの看板が空と重なるように見えて、上に向けた視線は今度は駐車場へと視線を向けるがあまりにも多く停まっている車に一つずつ探していくのは面倒臭い。
携帯を取り出して雅巳君にかける。
「もしもし?」
「着いた?俺喉乾いてるから中でチョコシェイクとか飲んでる。」
「余計にそれ喉乾くと思うけど。どんな服装?行けばわかる?」
「凄い混んでるからわかんないかもね。僕みたいに一人で座ってる男も多いし。好みの男に声かけてみたら?僕は自分から名乗らないよ。」
「……わかった。当たったら素直に返事してよ。」
「そこまで意地悪しないよ。」
電話を切って、店内に入っていくが言われた通りに一人で座っている男性は確かに多い。
チョコシェイクを飲んでると言っていたけれど、彼はわかりやすいヒントはもうテーブルには乗せていないだろう。
―――――直感。
私の冴えない感はあるキーワードで雅巳君を探しだす。
―――――この中で私を殺してくれそうな男。



