ヴーッヴーッ…
携帯がテーブルの上で振動している。
本当にきた!?
携帯の画面を見て雅巳君の表示に緊張しながら一度咳払いをして電話に出る。
「……はい。」
「ルイ?街に入ったけど何処に向かえば良い?家まで行く?それとも待ち合わせする?」
本当にこの街にきたんだ、
本当に彼に会えるんだ。
ネットで知り合って男性と会うなんて、自分には絶対出来ないと思っていた。
抵抗もあったし軽率な行動だと思って若干引く自分もいたが、
「北21条に向かって。道路沿いに大きなファーストフードがあるから。」
今まさに私はその軽率だと思っていた行動をしているなんて。
「了解。車はフーガ……っていってもわかんないか。白のセダンだよ。待ってるよ。」
知ってるよ、随分高級な車に乗ってるのね。
優ちゃんが欲しい欲しいと騒いでいた日産の車。



