携帯の画面を通話終了のボタンを連打する。



もう聞きたくない、なんなのコイツ。私のことを馬鹿にしかしていない。
22歳、四つも下の男の子にあんなこと言われる筋合いない。




知らないクセに、知らないクセに、知らないクセに、知らないクセに、知らないクセに!!!




頭の中が同じ言葉でリピートする。




私のことを知らないクセに!!!!




哀しくて泣いてるんじゃない。悔しくて涙が出るなんていつ以来だろう。






ソバにあった飲みかけの珈琲が入ったカップを壁に向けて勢いよく投げて、砕け散った音を電話でしか話したことがない雅巳君に刺されば良いのにと願ってワンワン泣いた。









そうやって人のせいにして生きてきたんだね。



自分の非は認めたくないの。歳を重ねる事に言い訳だけが上手になっていたことを彼に見透かされているみたいで言葉の通り、怒りで感情を隠したのをどうして彼はわかっているんだろう。





可哀想な女は、彼の前ではなれないらしい。