「私が何をしたの……。」






あの頃の思い出が急に現れては胸が苦しくなって、涙がボタボタとだらしなく流れる。
22歳の雅巳君の前で抑えきれない哀しみの感情をむき出しにする。





「…………………ルイ。」






慰めて欲しいわけじゃないけど、なだめる言葉をやっぱり何処かで望んでいる。






















「何もしてないからそうなったんだよ。」




「……え?」




「そうやって人のせいにして生きてきたんだね。嫌なことがあれば直ぐに逃げられるように避難場所も作りながらね。」





「ち……ちが「だから





そうやって可哀想な女を演じて助けてもらおうとしてるんだ。哀れなルイだね、とっても惨めだね。」








ワタシ  カワイソウナ オンナ






カワイソウだよね?





「馬鹿にしないでよ!!!」



「図星ほど人間はよく怒る。恥ずかしさを隠そうと必死になるんだよ。頭の悪い証拠だね。」



「アンタ何様なのよ!もう良いっ!知らないっ!!さようなら!!」



「さようなら、またね。」










またね?



ふざけないでよ。