雅巳君の後をついていき、表札などない扉を今度はカードキーで開けてドアを開ける。
ドアを開けるとうちの二倍の広さの玄関に、廊下の向こうのドアからワンワンと跳び跳ねる姿が見える。
「モモちゃんだ。」
「美人過ぎてヤキモチ妬かないでね。」
リビングのドアを開けると真っ黒な毛並みでお団子のようにくっついた丸い尻尾をぷりぷりさせて、雅巳君の周りをくっついて歩いている。
しかし私のことに気付くと、警戒したかのように吠えるが雅巳君の帰りも嬉しいらしく、吠えたり喜んだりで忙しそうだ。
「犬平気?」
「全然平気、好きだし。このモモちゃんて、パグだよね?可愛い~。」
「可愛い過ぎて手に追えないよ。」
リビングはガランとしていて、大きな48インチのテレビにガラステーブル。
チャコールの大きなカウチソファが置いてあり、モモちゃんのゲージがある。
でも目立つ家具はそれくらいだ。
空気清浄機や、インテリとして置かれてるスタンドライト。
お洒落というより、とりあえず置いてますみたいな感じの設置具合。
何より散らかすモノが無いのか男の人の割りにはとても綺麗にしてるが、几帳面には見えない。
「まぁ座ってよ。何か飲む?」
「あぁ……うん。」
モモちゃんが私の近くで吠えていたが、背中を撫でると直ぐに大人しくなり敵じゃないと判断したのか雅巳君の後をついて回るだけになった。



