どうしても堪えきれなくて、片手で顔を隠すのを忘れず静かにトイレに向かう。
バタンとトイレの扉を閉め、さっきまで必死に詰め込んだ食べ物を吐いてしまう。
嘔吐しながら出てくる涙と、悔しくて出る涙が一緒に出て頬がビショビショに濡れていく。
彼は悪くない。
勝手にこの街に来てこの店を見つけ、ここで吐いてるのは私の選んだことだ。
雅巳君は何一つ悪いことはしていない。
トイレの床でしゃがみこみ、止めどなく流れる涙を抑えても、止まらない。止まらないよ。
「……うぅ………っ。」
と、叫んでしまいたいこの惨めさと孤独を堪えることしか出来ない。
あの仮面のような嘘の笑顔でも、あの時間が羨ましくて仕方ない。
今日はあの女性と重なるなんて、
悲しくて仕方ない。



